[レポート] クルミドギャラリーVol.4「ジジから受け継いだ活版印刷機」

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[レポート] クルミドギャラリーVol.4「ジジから受け継いだ活版印刷機」

まだ少し肌寒さも残る3月21日、クルミドギャラリーvol.4「ジジから受け継いだ活版印刷機」が開催されました。

13:00-18:30の時間帯、いつものオープンギャラリーと平行して、九ポ堂の酒井草平・葵さんによる活版印刷ワークショップが行われました。ワークショップが開催された5時間半の間に来ていただいた方は47名!!

来ていただいた方1人1人に丁寧に説明を行う酒井さん

酒井さんも活版印刷機(アダナプレス)も休む暇がありません

アダナプレスでつくった本のしおりとコースター

19:30からは第2部
酒井草平さんとクルミド出版発行人の影山がトークセッションを行いました。トークセッションでは九ポ堂のなりたち—おじい様、勝郎さんが残した校正機の話。九ポ堂とクルミド出版との出会い—草平さんの奥様、葵さんがクルミドコーヒーに活版印刷のクリスマスカードを贈ってくれたことがきっかけだったという話。草平さん、影山、小谷さんの関係—実は3人とも西国分寺三世だったという話。
といったクルミド出版と九ポ堂の関わりの話
更には、印刷機でなく、校正機を使って印刷することの大変さの話(紙送り機がないため1枚1枚紙を手差ししなければならなかったり印刷後の紙の裏移りを防ぐブロッキング防止パウダーの散布装置が無いので、1枚ごとに間(あい)紙を置かなくてはならなかったり・・・)を印刷の過程を振り返りながら話してくれました。

影山からの「やってみてどうでしたか。」という質問に、
間髪入れず「いやぁ、まぁ大変でした」と草平さん。
しかし、大変な作業の連続であったにもかかわらず、
「印刷をしているときに校正機が喜んでいる気がしたんですよね。」と嬉しそうに語ってくれました。
というのも、いつもはポストカードなど小さいものを印刷することが多い校正機の清水サン(メーカーが清水製作という会社であったためこの名前が付けられた)。しかし、もともとはおじい様が自費出版したいと発起されて購入したのです。本の印刷というかつての使命を再び担うことが出来て、草平さんにはどこか嬉しそうに見えたのかもしれません。

また、トークの後半では、「活版印刷は生き残ることが出来るのか。残していくべきものなのか。」という問いについても話し合われました。

印刷の違いを左脳的に理解し、微妙な差異を感じ取ることは難しいだろうが、「何かこれはただものではないな」と直感で右脳的に感じて受け取ってくれる人が居ると思うし、そういった人を増やしていくことが活版印刷の生き残りの道ではないかという話には、会場からもうんうんという頷きが多く感じ取れました。

レポートで記した内容は話のほんの一部です。
詳しくは下記のUstreamの動画をご覧ください。

http://www.ustream.tv/recorded/30158587

                     Ustream協力:山本 修裕

                   (クルミド出版 今田 順)